一 文字・語彙

問題I 次の文の下線をつけたことばは、どのように読めますか。その読み方をそれぞれの1・2・3・4・から一つ選びなさい。

問1  以前は優美な彫刻鮮やかな色彩誇る寺だったが、今ではすっかり朽ち果ててしまった。

1)彫刻  1 しょうこく 2 しゅうこく 3 ちょうこく 4 ちゅうこく

2)鮮やかな  1 はれやかな      2 あでやかな

        3 はなやかな      4 あざやかな

3)色彩  1 しきさい  2 しっさい  3 しょくさい 4 しょうさい

4)誇る  1 はかる   2 かざる   3 こもる   4 ほこる

5)朽ち果てて    1 こちはてて      2 くちはてて

           3 こちかてて      4 くちかてて

2 科学が万能だというのは一種の迷信であり、無条件に科学を信仰する時代はもはや終わりを告げた

1)万能  1 まんのう 2 ばんのう 3 まんおう  4 ばんおう

2)迷信  1 まいしん 2 べいしん 3 めいしん  4 はいしん

3)無条件に  1 ぶじょうけんに  2 むじょけんに

        3 ぶじょけんに   4 むじょうけんに

4)信仰  1 しんこう 2 しんごう 3 しんきょう 4 しんぎょう

5)告げた 1 ささげた 2 つなげた 3 つげた   4 とげた

3 テニスの練習の合間に、二人はベンチに座って夕闇迫る街角をしばらく眺めていた。

1)合間  1 あいま  2 あうま  3 ごうけん  4 がっけん

2)夕闇  1 ゆうぐれ 2 ゆぐれ  3 ゆうやみ  4 ゆやみ

3)迫る  1 せまる  2 とまる  3 はまる   4 そまる 

4)街角  1 がいかく 2 がいかど 3 まちかく  4 まちかど

5)眺めて 1 みつめて 2 ながめて 3 ひそめて  4 とがめて

問題II 次の文の下線をつけたことばは、ひらがなでどう書きますか。同じひらがなで書くことばを1・2・3・4から一つ選びなさい。

(例) この会社は多額の負債に苦しんでいる。

 1 不在  2 夫妻  3 風習  4 封鎖

例の文の下線のことばは、ひらがなで「ふさい」と書きます。1~4のことばはそれぞれ、1は「ふざい」、2は「ふさい」、3は「ふうしゅう」、4は「ふうさ」と書きます。例の文「ふさい(負債)」と2の「ふさい(夫妻)」はひらがなで同じ書き方ですから、正解は2です。

 (解答用紙)(例)  ● ➂   

1) 賃金を上げるように会社と交渉している。

   1 校舎  2 控除  3 公衆  4 高尚

(2)           最近、児童の体力が全般的に落ちている。

   1 湿度  2 実働  3 自動  4 指導

3) 生涯にわたって一つの仕事に打ち込んだ。

   1 障害  2 正解  3 盛大  4 紹介

4) 電話で消防車の出動を要請した。

   1 養成  2 容積  3 抑制  4 様相

5) 外国製品の輸入に関する規制を緩和する。

   1 飽和  2 漢和  3 穏和  4 総和

問題III 次の文の下線をつけたことばは、どのような漢字を書きますか。その漢字をそれぞれの1・2・3・4から一つ選びなさい。

1 先生は、私の研究の問題点を具体的にしてきし、しりょうのていきょうとじょげんをおしまれなかった。

1) してき 1 支摘  2 示適  3 指摘  4 刺摘

2) しりょう 1 試量 2 資料 3 旨量  4 思料

(3)        ていきょう 1 提供 2 呈供 3 廷供 4 訂供

(4)        じょげん 1 徐言 2 助言 3 叙言 4 序言

(5)        おしまれなかった 1 悔しまれなかった  2 押しまれなかった 

             3 推しまれなかった  4 惜しまれなかった

2 山田さんが委員会をはなれてしまったので、彼のきかくはちゅうに浮いたじょうたいだ。

(1)       はなれて 1 放れて 2 離れて 3 分かれて 4 別れて

(2)       きかく  1 企画  2 規画  3 基画   4 起画

(3)       ちゅう  1 駐   2 中   3 宙    4 衷

(4)       じょうたい1 場態  2 静態  3 常態   4 状態

3 若者たちは、新しくあらわれたリーダーのしたにかたくけっそくし、けんりょくしゃのどくさいをそしするために立ち上がった。

(1)       あらわれた 1 現れた 2 表れた 3 洗われた 4 著われた

(2)       かたく  1 硬く  2 固く  3 難く   4 貴く

(3)       けっそく 1 決束  2 決促  3 結束   4 結促

(4)       けんりょくしゃ  1 憲力者      2 賢力者

            3 権力者      4 険力者

5) どくさい 1 独栽  2 独裁  3 督栽  4 督裁

6) そし   1 組止  2 粗止  3 租止  4 阻止

問題IV 次の文の下線をつけたことばの二重(__)の部分は、どのような漢字を書きますか、同じ漢字を使うものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

(例) 青年は常にりそうを追い求めなくてはならない。

1         会社にりれきしょを送った。

2         夏休みにはいつもきょうりにかえることにしている。

3         彼はちゅうりしの免許を持っている。

4         この会社は主に輸出によってりじゅんをあげている。

例の文の下線のことばは「理想」と書きます。1~4のことばはそれぞれ、1は「履歴書」、2は「郷里」、3は「調理師」、4は「利潤」と書きます。例の文の「理想」の「り」と、3の「調理師」の「り」は同じ漢字ですから、正解は3です。

(解答用紙)(例)   ●      

1)仕事はじゅんじょよく進めなければならない。

1         子供時代のじゅんすいな気持ちを大切にする。

2         天候がふじゅんですから、健康に気をつけてください。

3         風呂にはいると、血液のじゅんかんがよくなる。

4         三月のちゅうじゅんに旅行する予定だ。

2)サッカーのすばらしい試合に観客はこうふんした。

1         新しい治療をしたが、こうかはなかった。

2         たくさんの人々のこういで、無事旅行を終えることができた。

3         こうさてんを渡ると、右側にデパートがある。

4         市長はスポーツのしんこうに特別予算を組んだ。

3)毎月のしゅうにゅうが一定しない。

1         カメラのしゅうり代はずいぶん高かった。

2         彼女は新聞社にしゅうしょくした。

3         若い人は知識のきゅうしゅうが速い。

4         高山植物のさいしゅうは禁じられている。

4)教室にてんじされた絵を見る

1         忘れ物がないかてんけんする。

2         彼はてんけいてきなサラリーマンだ。

3         知人にてんきょの通知を出す。

4         この国は、戦後、経済的にはってんした。

5)その決議にいぎを唱える。

1         今年の夏はいじょうに暑かった。

2         しゅういを見渡すとだれもいなかった。

3         彼の考えはあんいすぎる。

4         わたしもあなたと同じいけんです。

問題V 次の文の__の部分に入れるのに最も適当なものを、1・2・3・4からを一つ選びなさい。

1)ホテルのレストランへ行くなら、やはりスーツをきていくのが__だろう。

  1 非難   2 無難   3 避難   4 苦難

2)この専門__は比較的新しく、またあまり研究が進んでいない。

 1 領土    2 領事   3 領域   4 領地

3)佐藤さんは__だから、いつも期限に遅れて、人に迷惑をかける。

 1 ドライ   2 ルーズ  3 ユニーク 4 オープン

4)お互いに大人なんだから、感情てきにならず、話し合いを進めましょう。

 1 理屈的に  2 理解的に 3 理知的に 4 理性的に

5)博士論文を__のに3年間かかった。

 1 仕切る   2 仕入れる 3 仕上げる 4 仕掛ける

6)大切な時間を内容のない会議で、__するのは、ばからしい。

 1 浪費    2 経費   3 出費   4 実費

7)細かいことに__いては、進歩はない。

 1 こじれて  2 こだわって  3 ことなって  4 こぼれて

8)能力はあるのだが、まだ経験が__ため、うまくいかないことが多い。

 1 いやしい  2 とぼしい  3 あさましい  4 たくましい

9)タイヤや燃やしたようなにおいが鼻を__。

 1 ついた  2 おった  3 かんだ  4 まげた

10)この詩は子供をなくした親の__気持ちをつづったものである。

 1 そっけない   2 つれない

 3 あっけない   4 せつない

11)資金を上手に__し、利益をあげた。

 1 運搬  2 運行  3 運用  4 運営

12)なまけ者の彼はことだから、__そんなことだろうと思った。

 1 おおかた  2 きわめて  3 なかなか  4 とうてい

13)__をせずに、何日でも泊まっていってください。

 1 きだて  2 きまぐれ  3 きがね  4 きまじめ

14)ちょっとしたことばの__から、たいへんなけんかになってしまった。

 1 落ち着き 2 差し引き  3 受け持ち  4 行き違い

15)この案は会議で否決されたが、__悪いとは言えないと思う。

 1 一挙に  2 一概に   3 一気に   4 一斎に  

問題VI 次の(1)から(10)は、ことばの意味を説明したものです。その説明に最もあう用例を1・2・3・4から一つ選びなさい。

1)外れる……基準に合わない。

1         戸が開きにくいので、ガタガタやっているうちに、外れてしまった。

2         ボールはゴールを外れている。

3         あの人の歌は音が外れている。

4         あの人が予想したことはすべて外れていた。

2)頭……最初

1         彼の発言には頭にきた。

2         年をとって、頭が白くなった。

3         これまでの経緯を頭に入れておいてください。

4         列の頭から数えて15人目が田中さんだ。

3)薄い……厚さがわずかである。

1         細胞を包む??? はごく薄いものだ。

2         山田さんは髪の毛が薄い。

3         壁の色は薄いほうが好きだ。

4         その計画は成功の見込みが薄い。

4)まわり……関係の深い人々

1         これよりひとまわりおおきいかばんがほしい。

2         まわりに反対されて、留学するのをあきらめた。

3         火のまわりにが早く、何も持ち出せなかった。

4         身のまわりにはいつも片付けておくべきだ。

5)うつる……物や色の組み合わせがよい。

1         スイッチを入れたのにテレビがうつらない。

2         金子さんの帽子は服によくうつっている。

3         月が池の水面にうつっている。

4         魚のにおいが手にうつる。

6)分ける……基準に従って区別する。

1         売るために、一つの土地を二つに分けた。

2         子供におみやげを公平に分ける。

3         出席者を年齢で分けると、40代がいちばん多かった。

4         両者は同点で勝負を分けた。

7)許す……ある行為をさしつかえないものとして認める。

1         時間が許すならば、出席いたします。

2         殻は自他ともに許す財界の大物だ。

3         初めて会った日から、あの人に心を許していた。

4         忙しい時期なのに、上司が休暇を許してくれた。

8)味……経験によってわかること

1         苦労の味を知らないから、思いやりがない。

2         彼の字は味がる。

3         この店は最近味が落ちてきた。

4         彼にしては味なまねをした。

9)手……関係

1         忙しくて、今は手が離せない。

2         あの人は手を切った。

3         親友を助けるために手をつくした。

4         ほしかった車をやっと手に入れた。

10)ぬける……あったものがなくなる。

1         ぬけるような青空がひろがっている。

2         腰がぬけて歩けない。

3         一週間仕事を休んでやっと疲れがぬけた。

トンネルをぬけると、田園の風景がひろがっていた。 

 

 

 

読解・文法

問題1 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。

 電話とは、ときどき、ひどくいまいましいものである。

 その憎たらしさは、ひとえにその便利さのせいである。――したがって、私の家にも、電話がある。

 ちょっとした用件なら(いや、べつだん用件などなくても)手紙より電話のほうがてっとりばやい。遠距離でなければ、はるかに安い。その上、切手の買い置きがあったはずだけれど、などとやたらにいろいろな引出しをかきまわさなくてもいいし、雨が降っていようがいまいがポストまで出かけなくてもいい。

 が、何にもまして電話の便利な点は、相手の気分だの都合を無視して、ブザー一つで強引に電話口へ呼びつけ、有無をいわさず受け答えを強要することができるところにある――それはもう、便利を越えて痛快と言っていい――

 その痛快さをささえるために、電話をかけられたほうが少々不幸になることもあるのは、「便利さ」というものの配分にかんする必然性の問題なのかもしれない。じっさい、風呂や便所へ、はいってしまったあとでかかってきた電話なら堂々と無視できるけれど、入る寸前、つまりほとんどはいる態勢になったところを不意打ちに来る電話は、あなたをかなり不しあわせにしかねない(中略)

 たまたま家族がみんな出かけてしまった日曜日など、なぜか一人で留守番というかっこうのとき、電話の鳴るたびにのこのこ立って行くのがおっくうで――だいたい私あての電話は少ないのだ――断固無視してやろうとは思っても、リーンリ-ンリ-ンと鳴りつづけるあの音に対して居留守をつかうにはよぼとの図太い神経がいるらしく、ためしに意地を張ってみると、けっきょく、いちいち席をたつよりも、無視しとおすほうがよほど心の疲れは大きいのであった。

 にもかかわらず、(a)になってみれば、居ながら蕎麦屋でもすし屋でも、ためしたことはないが警察にでも出前を注文することができるというのは、じっさい愉快、痛快、喝采にあたいする。いざというとき110番のかわりに「助けて!すぐ来てください。警察御中」とお手紙を出す(もちろんその前にはがきや切手をさがす、それから速達料金はいくらだったか思い出す……)という手間を思えば、どう考えたって、電話を呪うことなどとんでもない忘恩というものである。

 無論、(b)にしてみれば、郵便のほうが概して控えで、好感がもてる。(中略)急用でもあれば、帰ってから開封することにして、テーブルの上にほうり出したまま出かけてしまってもいい。手紙はおくゆかしく、こちらが返事をするまでけたたましい音をたてづつけたりはしない。

 手紙がめんどうなのは、さよう、自分が(c)にまわったときのことである。電話不精ということばはまだないけれど(個人的に私にはあるのだが)、筆不精という悩みは確実に存在する。と、ここでちょっと「不安」になって、ひょっとすると不精ではなく無精だったかしら……と、重いまどうところが、すなわち手紙を書くのはくたびれるという理由のひとつに相違ない。

 本当なのだ。電話なら、不意をねらわれた相手がまごついているところへ、こちらはいい状態にあるから好調にまくしたてればいいし、主語と述語が噛み合っていようがいまいが、まちがって自分のほうに敬語をつけようが、どうせ小用をこらえて曇った状態にある相手は気がつくまい……と、たかをくくることもできる。

 とすると、もはや結論は出たようなもので、その短路的な結論によれば、(⑦)に限るのである。

             (佐藤信夫『レトリックの記号論』による)

 

(注1)居留守をつかう:本当はいるのに、いないふりをすること

(注2)出前:料理を、注文した人の家までと届けること

(注3)110番:警察の電話番号

(注4)重いまどう:まよう

(注5)小用をこらえる:トイレにいくのをがまんする

(注6)たかをくくる:大したことはないと思う

1 ①「便利を越えて痛快」という言い方で筆者は何を言いたいのか。

1 便利だということは常に痛快だということでもある。

2         便利さというものは痛快さを越えたところにある。

3         便利であることもあれば、痛快であることもある。

4         便利だという言葉では表現できない痛快さがある。

2 ②「「便利さ」というものの配分」とはここではどのようなことか。

1         一方が便利だと感じたときは、他方は不便だと感じること

2         一方が便利だと感じれば、他方もまた便利だと感じること

3         一方が便利だと感じない場合は、他方もまた便利だと感じないこと

4         一方が便利だと感じても、他方はどう感じるか分からないこと

3 ③「図太い神経がいる」とはここでどのようなことか。

1         電話の音がどんなに大きくても驚かないこと

2         鳴っている電話を無視して平気でいること

3         日曜日にひとりで留守番ができること

4         電話に出るのをおっくうがらないこと

問4 ④「よほど心の疲れは大きいのであった」とあるが、それはなぜか。

1         電話が鳴ると出なくてはいけないと思ってしまうから

2         日曜日にはひとりで留守番をしなくてはいけないから

3         期待して出ても自分に来た電話ではないことが多いから

4         電話が鳴るたびにいちいち立っていくのがおっくうだから

5 a~cに入る言葉の組み合わせとして適当なものはどれか。

1 a かけるがわ b 書くがわ  c 受け取る立場

2 a かけるがわ b 受け取る立場  c 書くがわ 

3 a 受け取る立場 b かけるがわ  c 書くがわ

4  a 書くがわ b かけるがわ  c 受け取る立場

6 ⑤「とんでもない忘恩」とはどういうことか。

1         電話で蕎麦屋やすし屋に出前が頼めることをありがたいと思うこと

2         風呂や便所にはいっているときにきた電話を無視すること

3         こちらから電話をかけるときのありがたさを忘れていること

4         いつも世話になっている人に手紙を出して迷惑をかけること

7 ⑥「不安になって」とあるが,何が不安なのか。

1         電話不精という言葉は本当にまだないのがということ

2         自分は本当は筆不精ではないのかもしれないということ

3         [不精]は漢字で本当に「不精」と書くのかということ

4         確実にあるのは筆不精という悩みだと本当にいえるのかということ

8 (⑦)にはいる言い方はどれか。

1         発信は電話、受信は手紙

2         発信は手紙、受信もともに電話

3         発信も受信もともに電話

4         発信も受信もともに手紙

問題II 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なもの一つ選びなさい。

 車の運転をしている人なら理解できるように、自分の前方や後方でププッとクラクションが鳴ると気になるものです。たとえば、交差点の信号が青になったのに気がつかずに、後ろから「プププープー」と長いクラクションを鳴らされたら、人によっては驚いたり、「うるさいな」と不快に感じるでしょう。

 社会心理学者の木下冨雄先生の書かれた「クラクションランゲージ」という論文の中に、クラクションのエピソードがあります。ある教授が道を歩いていたとき、後ろからきた車からクラクションを鳴らされた。教授は車を通すために道を譲った。ところがすれ違ったときに車はもう一度クラクションを鳴らした。がどいてやったのにまたクラクションを鳴らすとは失礼な奴だ、と教授は怒っている。木下先生はそこで最初のクラクションは「A」という意味だが、後もクラクションは、「B」という感謝の意味のクラクションですよ、と説明をされたという話です。木下先生はこの体験から、日本では車を運転する人と運転しない人との間にマイカー文化とノーカー文化という異なる文化圏が成立しており、このエピソードは一種の文化摩擦ではないかと述べています。

 筆者は実験で交通状況を設定してクラクション反応を求め、状況の違いによりどのようなクラクションが存在するかと分析しました。刺激場面を実験室でスライドプロジェクターによって提示させ、実験教示を聞いた後に被験者はスイッチを押してクラクションを鳴らします。

 細部は省きますが、分析の結果、クラクションには社会的エチケット、安全確保、感情表現の三つのパターンがあると推定できました。非常に短い社会的エチケットのクラクション、中程度の長さの安全確保のクラクション、最も長い(0.5秒を超える長さ)感情表現のクラクションです。初心者は長さの違いがはっきりせず、安全確保や社会的エチケットと感情表現のクラクションが重なっています。また、いかなる交通状況でも、平均して0.5秒を超えるクラクションを鳴らすドライバーが一定の比率で存在しています。しかし、こういう何気ないクラクションが(中略)「この馬鹿野郎!」という挑戦的で攻撃的な意味と受け止められる恐れがあります。

   (蓮花一己「カーコミュニケーション その2」『人と車』1994年第2号による)

(注1)            クラクション:自動車の警笛

(注2)            マイカー:自分の車

(注3)            ノーカー:車を持っていないこと

(注4)            刺激場面:実験で反応を導き出すための場面

(注5)            スライドプロジェクター:スライドを映すための機械

(注6)            被験者:実験を受ける人

1 ①「」とあるが、ここでは誰のことか。

 1 木下先生

2         ある教授

3         車を運転していた人

4         筆者

2 ②「教授は怒っている」とあるが、なぜ教授は怒ったのか。

1         音がうるさかったから

クラクション     2 音に驚いたから

2         意味を誤解したから

3         意味が間違っていたから

3 A」と「B」に入る適当な組み合わせを選べ。

 1 A:ありがとう    B: ご苦労さま

2 A:こんにちは    B: すみません

3 A:あぶないぞ    B: お先にどうぞ

4 A:どいてくれ    B: どいてくれてありがとう

4 ③「説明をされた」とあるが、誰が説明したのか。

1         木下先生

2         ある教授

3         車を運転していた人

4         筆者

5 ④「一種の文化摩擦」とあるが、ここではどのような意味か

1         国や文化が異なると、同じクラクションの意味が異なる。

2         いつ鳴らすかによって、同じクラクションでも意味が異なる。

3         クラクションの長さが異なると、クラクションの意味も異なる。

4         運転する人と運転しない人では、同じクラクションの意味が異なる。

6 ⑤「クラクション反応」とは、ここではどのようなものか。

1         クラクションがどのような意味を持つか

2         クラクションにどのような反応をするか

3         クラクションをどのように鳴らすか

4         クラクションについてどう思うか

7 ⑥「感情表現」のクラクションとは、ここではどのようにクラクションか。

1         怒っている気持ち

2         うれしい気持ち    を表現するクラクション

3         悲しい気持ち

4         楽しい気持ち

8 ⑦「こういう何気ないクラクション」とは、どのようなクラクションか。次の中から適当な組み合わせを選べ。

 

      長さ

         意図

1

0.5秒以上

感情表現

2

0.5秒以上

安全確保・社会的エチケット

3

0.5秒を超えない

感情表現

4

0.5秒を超えない

安全確保・社会的エチケット

 

問題III 次の(1)~(6)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1234から一つ選びなさい。

(1) 私は最近、外国へいく機会に何回かめぐまれ、諸国の鉄道に乗ってみている。風景や乗客はもとより、車両の構造や鉄道運営の流儀など、何から何まで、ものめずらしいことばかりで、おもしろくてたまらないけれど、外国の鉄道の味を知ってしまったら、日本の鉄道はつまらなくなるかというと、けっしてそうではない。外国での鉄道旅行のおもしろさは、異邦人としてのおもしろさであり、日本のそれとは、味わいの立場が違うのである。外国の鉄道に乗りながら、日本の鉄道への郷愁を感じることがしばしばであったのも、そのためであろう。

          (宮脇俊三『鉄道旅行のたのしみ』による)

(注1)            流儀:やり方

(注2)            異邦人:外国人

(注3)            郷愁:故郷をなつかしむ気持ち

【問1】 外国の鉄道に乗りながら、日本の鉄道への郷愁を感じることがしばしばであった」のはなぜか。

1         外国の鉄道に乗っていると、異邦人と見られてつかれてしまうから

2         外国の鉄道はものめずらしいことばかりで、つかれてしまうから

3         外国の鉄道と日本の鉄道は、異なるおもしろさを感じるから

4         外国の鉄道と日本の鉄道は、なにからなにまで似ているから

2)外山滋比古氏は、「象は鼻が長い」といタイトルで二重主格を扱った日本語文法論の本が、書店で童話の棚に入れられてしまった話を紹介している。

  このように、誤って不適切な分類項目に入れてしまうと、検索できなくなる。分類作業を他人に任せている場合、この種の事故は、頻繁に発生する。

  自分でやっていても、錯誤で誤入する場合がある。正しい項目をいくら探しても、目的の資料は出てこない。しかも、誤って入れたのだから、どこに入ってしまったかは、見当もつかない。そこで、すべての項目を探すようなはめになる。

      (野口悠紀雄『「超」整理法』による)

(注1)            検索:調べてさがし出すこと

(注2)            はめ:困った結果

【問1この文章で、筆者が最も言いたいことは何か。

1         間違って分類されるような書名はつけないほうがいい。

2         間違って分類すると、見つけだすことができなくなる。

3         他人が分類した時は、すべての項目を探す必要がある。

4         自分で分類した時は、適切な項目をすぐに探し出せる。

(3)「太田さん、変わりませんね

 (中略)四年ぶりにホテルのティー・ルームでお会いした編集者のAさんからそのようにいわれた時、私はみた目のことをいわれたのだと思って、自然ににっこりした。

 「Aさんも、お変わりありませんわ」

 ダーク・グレイのスマートな背広姿は、四年前と変わりがなかったが、その髪にはいくらか白いものが目立つようになったなと重いながらそういったのである。

「いや、ちょうど十五分、遅刻したところがですよ」

Aさんは眼鏡の奥の眼をいたずらっ子の少年のように、わざと大きくしながらいわれた。私は、しばらくの間顔を上げることができなかった

           (太田治子『気ままなお弁当箱』による)

(注)ダーク・グレイ:濃い灰色

1 ①「変わりませんね」とあるが、Aさんは何が変わらないと言ったのか。

1         人と会うときは「お変わりありませんね」と言うこと

2         約束の時間にいつもちょうど十五分だけ遅刻するくせ

3         四年前に会ったときの見た目と今回会ったときの見た目

4         人と会うときはいつも外観のことばかり気にするくせ

2 ②「しばらくの間顔を上げることができなかった」とあるが、それはなぜか。

1         Aさんのいたずらっ子の少年のような眼がとても面白かったから

2         約束の時間に十五分も遅れたことをはずかしいことだと思ったから

3         Aさんのダーク・グレイの背広姿があまりにスマートに見えたから

4         Aさんが言った言葉を自分が誤解していたことに気がついたから

4)次の文章は、下のグラフを説明したものです。

  日本人の日常生活で一般的に使用される電気製品や自動車の購入価格はどのように変化しているだろうか。グラフを見てその変化と理由を検討してみよう。このグラフは1980年の購入価格を100としたときの毎年の購入価格を表したものである。()は、1987年を境に購入価格が急速に上昇したが、1989年からはあまり変化していない。その理由としては1988年頃、CDプレーヤーがついて価格が上がったためと考えられる。(b)も同様に1987年頃から大幅に価格が上昇しているが、1991年を頂点にそれ以後下降に転じている。これは大型化による価格の上昇とその後の消費者の大型離れが影響していると考えられる。1985年から統計を取り始めた(c)を見ると。購入価格は少しずつ上がってきたが、1992年以後、やや下降し始めている。(d)も、1983年から次第に上昇し、さらに1993に年は大きく購入価格が伸びている。その理由は、輸入が増加したからである。

問い】グラフを見て、文章中の()()()()にはそれぞれ何が入るか、次の組み合わせの中で正しいものを選ぶなさい。

1         a:テレビ b:ビデオテープレコーダー c:自動車 d:テープレコーダー

2         a:テレビ b:テープレコーダー   c:ビデオテープレコーダーd:自動車

3         a:テープレコーダー b:テレビ c:自動車 d:ビデオテープレコーダー

4         a:テープレコーダー b:テレビ c:ビデオテープレコーダー d:自動車

(5)       次の文は、文化の定義について述べたものである。

まず、ドイツ流の使い方では、一般に「文化」と「文明」とを区別し、文化は精神的・理想的な価値の実現としてとらえられ、哲学・宗教・科学・芸術など、民族の生みだした高度の精神的所産を、一方文明は、技術的・物質的・実際的所産を意味している。これに対して英米流の文化概念では、芸術作品など、人間の高度な精神的所産から食事作法などの日常的な生活習慣まで、きわめて包括的にとらえられている。文化と文明とを区別することもない。したがって、木皮や獣皮でつくられた腰蓑も漱石の文化やモーツァルトの音楽も、さらには子どもの育て方や夫婦関係のあり方までもすべて文化とみなされる。したがってこの立場では、文化のない社会は考えられないし、文化も持たない人間もいないということになってくる。

          (鈴木広『現代社会を解読する』による)

(注1)            所産:何かが行われた結果、生まれでてきたもの

(注2)            包括:関係があるものを全部を一つにまとめること

(注3)            獣皮:動物の皮

(注4)            腰蓑   (図がある)

(注5)            漱石:明治・大正時代の文学者

【問い】文中に述べられたドイツ流の考え方では、文化と文明はどのように分けられるか。次の中から正しいものを選びなさい。

 

    文化

      文明

1

漱石の文学

モーツァルトの音楽

木皮や獣皮で作られた腰蓑・子どもも育て方・夫婦関係のあり方

2

木皮や獣皮で作られた腰蓑・子どもも育て方

漱石の文学・モーツァルトの音楽・夫婦関係のあり方

3

漱石の文学・モーツァルトの音楽・子どもも育て方・夫婦関係のあり方

木皮や獣皮で作られた腰蓑

4

漱石の文学・モーツァルトの音楽・夫婦関係のあり方

木皮や獣皮で作られた腰蓑・子どもも育て方

6)下のA~Dは、それぞれア、イ、ウ、エのどこかに入る文です。

 

 今までの生物学というのは、もっぱら種レベルの生物学であった。(中略)

では、種レベルの行動と個体レベルの行動とは、そもそものはじめから異質的なものであって、相つながらないものであろうか。

                   

                 (ア)

                   

                 (イ)

                   

                 (ウ)

 

                 (エ)

おそらく、私のこのような考えは、これをそのまま人間社会における文化現象に適用しても、あえて矛盾するところは生じてこないであろう。

 

 

私はそうばかりとは思わない。


群れをつくっているものの場合には、個体レベルの行動と種レベルの行動とのあいだに、なおもう一つ、群れレベルの行動というものを、はさむ必要がるかもしれない。


 

はじめは個体レベルの行動として発生したものも、やがてその行動が個体間に普及して、大多数の個体に認められるようになれば、そのときはもはや個体レベルの行動でなくて、種レベルの行動といわねばなるまい。


                     (今西錦司『人間社会の形成』による)

(注1)            そもそも:もともと

(注2)            異質:性質が違っていること

(注3)            相つながる:互いにつながる

【問い】正しい組み合わせのものを選びなさい。

1         ア:B  イ:C  ウ:A  エ:D

2         ア:B  イ:D  ウ:C  エ:A

3         ア:C  イ:D  ウ:B  エ:A

4         ア:C  イ:B  ウ:A  エ:D

問題IV 次の文の__にはどんな言葉を入れたらよいか。1234から、もっとも適当なものを一つ選びなさい。

(1) さすがに一流の歌手__違う。一回の出演料が数万円だという。

  1 ともすると 2 ともなると 3とはいえ  4 といっても

2)もう少し早く病院に行けば助かった__、放っておいたので、手遅れになってしまった。

  1 もので   2 ものか   3 ものを  4 ものに

3)人前で演技をするのは始めての経験__、彼はひどく緊張していた。

  1 とあって  2 にあって  3 として  4 にして

4)今日の午後3時までに原稿を提出しなければならず、今は1分__おろそかにできない。

  1 よりも   2 だけは   3 たりとも  4 ばかりか

5)彼は空港に着く__、恋人の入院先にかけつけた。

1 や否や   2 が最後   3 末に    4 次第で

6)こんな風が強い日に小型のボートで沖に出るなんて、危険__。

  1 極める   2 極めない  3 極まりない 4 極まっている

7)あまりよく考えないで仕事を引き受けた__、ひどい目にあった。

  1 わりに   2 ように   3 ばかりに  4 ところに

8)そんなひどいいたずらは、たとえ子供__許せるものではない。

  1 だに    2 であれ   3 だと   4 にして

9)いつも迷惑をかけていると__つつも、つい甘えてしまう。

  1 知り    2 知る    3 知って  4 知れ

10)大都市にはごみ処理__、地震対策、交通渋滞など、さまざまな問題が山積している。

  1 をめぐって 2 をはじめ  3 において  4 にとって

11)あのチームは__がためには、どんなひどい反則でもする。

  1 勝つ   2 勝ち  3 勝たぬ   4 勝たん

12)人と人のコミュニケーションをはかる__、お互いの信頼関係がきずかれる。

  1 ことから 2 ことに  3 ことなしに  4 ことだから

13)あそこでは一流ホテル__豪華な雰囲気が味わえる。

  1 まじきの  2 ならではの  3 かぎりの  4 ごときの

14)A氏は不動産業を営む__、暇を見つけては作家活動をしている。

  1 かたわら  2 そばから  3 ながら   4 がてら

15)映画を見終わって、主人公の生き方に__、自分の生き方がいかにいいかげんだったか、強く反省した。

  1 かけて   2 よって   3 あって   4 ひきかえ

16)あの子は教師の忠告__、相変わらず悪い仲間とつきあっている。

  1 をもとに  2 をよそに  3 をもって  4 をこめて

17)どの大学に留学しようかと、さんざん悩んだ__、A大学にきめた。

  1 ことに   2 ほかに   3 かぎり   4 あげく

18)あの大統領は庶民性をそなえているが__、人気を集めているという。

  1 ゆえに   2 くせに   3 だけに   4 のみに

19)話し合いの結果__では、ストライキも辞さない覚悟だ。

  1 のわけ   2 かぎり   3 いかん   4 のよう

20)ベストを尽くしてやれば、成功しょうと__と関係ないのではないか。

  1 しまい   2 しない   3 して    4 しろ

21)今の親は他人の子供は__、自分の子供さえも叱らなくなったといわれている。

  1 きわみ   2 おろか   3 かぎらず  4 いたり

22)いかがですか。こちらのお着物はお気に__でしょうか。

  1 なされた  2 なられた  3 召された  4 存じた

23)採否__、結果は郵便でお知らせします。電話でのお問い合わせには応じられません。

  1 にあらず       2 をものともせず 

3 にほかならず     4 のいかんいかかわあず

24)「ご注文の品物ができあがりましたので、今度の日曜日にお届けに__よろしいでしょうか。」

  「ええ、お願いします。」

  1 あがっても  2 おいでになっても

  3 みえても   4 うけたまわっても

25)国際交流に微力__貢献できればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

  1 がてら    2 ながら   3 として  4 さえも

26)あの選手は子供のころ、サッカーに__スポーツなら何でも得意だったそうだ。

  1 基づき   2 限らず  3 わたって   4 すぎず

27)環境破壊を__工業化を推し進めていくのには疑問がある。

  1 するにせよ 2 しただけで  3 すればこそ  4 してまで

問題V 次の文の__にはどんな言葉を入れたらよいか。1234から最も適当なものを一つ選びなさい。

1)こう毎日レポートや試験に追われていては、国の両親に手紙を書こうにも__。

  1 書けない       2 書こうとしない

  3 書かない       4 書きたくない

2)日本へ来てしばらくは、国へ電話はかけるまいと思っていたが、今日はさびしくてたまらず、つい__。

  1 かけたかった     2 かけるべきだ

  3 かけてしまった    4 かけるはずだ

3)日本での生活も10年ともなれば、相手が黙っていてもイエスかノーか__。

  1 分かるわけがない   2 分かるようになる

  3 分かりようがない   4 分かりづらくなる

4)前政権が崩壊してからというもの、この国では中小企業の倒産、大手の企業の合併が続き、多くの人が職場を離れることを__。

  1 余儀なくしている  2 余儀なくされている

  3 余儀なくさせている 4 余儀なくしてもらっている

5)せっかく遠くから来たのに、着いたそうそう帰れと言わんばかりの顔をされては__。

  1 帰るまでもない   2 帰るにあたらない

  3 帰ろうとしない   4 帰らざるをえない

6)まだ卒業論文が完成していないので、就職が決まったからといって、__。

  1 喜ぶわけではありません  2 喜んでいるにすぎません

  3 喜ばないはずがありません 4 喜んでばかりはいられません

問題VI 次の文の__にはどんな言葉を入れたらよいか。1234から最も適当なものを一つ選びなさい。

1)公園のベンチにかばんを置き忘れたことに今気がついた。もう5時間もたっているから、もどって__、まずみつからないだろう。

 1 さがしてみたら    2 さがしてみたところ

 3 さがしてみたのに   4 さがしてみたところで

2)主張すべきことは相手がだれであっても主張すべきだ。それによって採用を__それまでのことだ。

 1 取り消されるより   2 取り消されるなら

 3 取り消さないより   3 取り消さないなら

3)そんなことは常識だ。君に言われる__。

 1 はずもない  2 必要がある

 3 までもない  4 可能性がある

4)東京は土地の値段が高く、ふつうのサラリーマンが自分の家をもつことはかなりむずかしい。家を買えるとしても、それは通勤に不便な場所__。

 1 ではないだろう   2 ではあるまい

 3 にかぎらない    4 になるだろう

5)最近、日本では電話料金が下がり、手続きも簡単になった。また電話機も小さくなり、性能もよくなったことから携帯電話の利用者は__。

 1 増えかねる  2 減りつつある

 3 増える一方だ 4 減り気味だ

 

 

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